紅茶の歴史を少し、、、
世界では緑茶よりたくさん飲まれている紅茶ですが、その歴史の長さは緑茶に軍配が上がります。緑茶の起源については諸説ありますが、少なくとも紀元前には中国で飲まれていたようです。ただ、当時は今のように飲み物としてではなく薬のような扱いで、上流階級の人だけが手に入るものでした。この頃からお茶の効能は知られていたんですね。唐の時代になるとお茶は飲み物として中国国内に広まっていきます。世界最古のお茶の本といわれる「茶経」もこの時代に記されます。
そのお茶がヨーロッパに渡るのはそこから約1,000年後、、、17世紀になると世は大航海時代。最初に中国のお茶をヨーロッパに持ち込んだのはオランダと言われていますが、意外なのはそのお茶は長崎の平戸で購入したものであること。つまり、お茶は日本からヨーロッパに広がっていったんですね。
では紅茶はというと、これも諸説ありますが、中国福建省の武夷山という所で17世紀中頃から作られていた武夷茶(ぶいちゃ)が起源と言われています。ちなみに紅茶は英語でblack tea、緑茶は teaと呼ばれますが、茶葉の色によって呼び方を区別していたそうです。1721年の統計資料に「black tea」という名前があることから、その頃に紅茶がヨーロッパに輸出されたと考えられています。
紅茶はヨーロッパの上流階級を中心に広まっていきますが、日本で初めて紅茶を飲んだのは貴族でも武士でもなく、 なんと船の船頭さんだったそうです。大黒屋光太夫という方で、井上ひさしさんの著作『おろしや国酔夢譚』でも描かれ映画化もされています。漂流してしまった船が命からがらロシアにたどり着き、そこから波乱万丈あり、最後には時の皇帝エカテリーナ二世に紅茶をごちそうになり、無事帰国されました。興味のある方は小説、映画をどうぞ。
お茶の歴史は長く、伝説のような逸話もありますが、知ればお茶の味わい方も変わるかもしれません。