お茶の保管方法について

「茶葉の保管はどうしたらいいですか?」と聞かれたときは「まずしっかり袋を閉じて、直射日光と湿気を避け、お部屋の中の涼しいところで保管してください。冷蔵庫でなくても大丈夫です」とお伝えしています。低い温度の方が劣化しにくいということで冷蔵庫に入れる方もいらっしゃいますが、それは基本的に不要です。ここでは茶葉が劣化する原因についてお話したいと思います。

劣化の原因は色々ありますが、基本的に茶葉は水分量が少なく腐りにくいものです。賞味期限を過ぎたものについても風味が落ちることはありますが、飲めなくなるわけではありません。実際、愛知県豊田市で発見された100年以上前に作られた茶葉も問題なく飲めたという話もあります。ただ、どうせ飲むなら美味しい方がいいので、適切に保管いただければと思います。

茶葉が劣化する原因

まずは酸素。紅茶に関しては製茶後も酸素と反応して発酵が進むので全く悪いというのではありませんが、容器を開けっ放しにしておくと急激に酸化するため品質劣化の原因となります。袋をしっかり閉じるか、密封できる容器で保管しましょう。

湿気も茶葉の大敵です。湿気とは水分であり、水分は品質を劣化させます。カビ等の原因にもなります。特に茶葉は湿気を吸う性質がありますので容器の口をしっかり閉じ、コンロの近くなどは避けて保管しましょう。

光も酸化を促し、葉緑素(クロロフィル)が分解されるため水色や香りに影響します。窓際はもとより、蛍光灯の光にも影響を受けるので天井近くは避けた方が無難です。

熱も酸化の要因になります。基本的には部屋の中の冷暗所で保管すればよいのですが、あまりに部屋が暑く、冷蔵庫で保管する場合は同じ庫内ににおいの強いものを入れないようにしましょう。また、冷蔵庫から出したばかりのお茶を開封すると結露を起こし、湿気を含んでしまいますので冷蔵庫から出したら冬季で3時間程度、夏季は半日程度置き、室温に近づいてから開封するようにします。

温度は低い方が品質が長持ちするというのはありますが、冷蔵庫での保管をお勧めしない理由はズバリ「におい」です。冷蔵庫は色んな食品を保管しているため、色んなにおいがします。そのにおいが茶葉に移り、品質劣化の原因になります。茶葉は昔から脱臭剤代わりに使われるほどにおいを吸着しますので、冷蔵庫や強いにおいのする場所は避けた方が無難です。

おうちの中でピッタリな「お茶の居場所」を探してみてくださいね。