べにふうきとは?
にのらく茶園は茶品種「べにふうき」だけを育て、製茶している専門茶園です。日本広しといえども(世界でも)べにふうきだけを扱っている農家は他にないかもしれません。そこで今回は私たちがこだわる「べにふうき」についてお話したいと思います。
その前に日本のお茶生産の現状について。全国茶生産団体連合会の資料によると、令和2年度の日本での緑茶・紅茶・ウーロン茶の消費量は、それぞれ74.4%、16.3%、9.3%でした。緑茶は紅茶の約5倍飲まれていて、日本でお茶というと緑茶を指すことが多いのも納得です。でも世界ではこれが逆転し、お茶といえば紅茶を指すことが多いです。詳しくは「紅茶は世界一!?」のページにて。
飲む人が多いということは、作る人も多いということ。実際に日本で作られているお茶の99%以上は緑茶で、紅茶は1%にも満たないのです。そんな中、日本でも美味しい紅茶を!と開発されたのがべにふうき。アッサム系品種のべにほまれを母親(種子親)、ダージリン系品種の枕cd86を父親(花粉親)に持つ、まさに紅茶のために生まれた品種です。
両親の血統もあり、べにふうきは和紅茶の中でもしっかりと紅茶らしい味わいを楽しむことができます。春摘みはダージリンのように香り高くスッキリとした風味を、夏・秋にはアッサムのようなコクを楽しめます。
しかし美味しい紅茶のために生まれたはずのべにふうきに予期せぬ事態が起こります。それがメチル化カテキンの存在です。べにふうきの生葉から作られた緑茶を分析すると、メチル化カテキンの含有量が他の茶品種より多いことが分かり、健康面への期待から注目されるようになりました。今では紅茶より緑茶を作る農家さんの方が多く、イベント出店のときにお客様と話していても「べにふうきって、緑茶でしょ?」という方が本当に多いです。そのたびに「違うんです!べにふうきは本当は紅茶向けの品種で〜」とお伝えするようにしています。
メチル化カテキンについては別のページでご紹介していますが、よく受けるのが「紅茶にもメチル化カテキンは入っているの?」という質問。にのらく茶園でも分析機関で調べてもらいました。結果、紅茶にもメチル化カテキンは含まれていますが、緑茶の方が10倍以上多いということが分かりました。ですので、メチル化カテキンをたくさん摂りたい方は緑茶をおすすめします。
紅茶と緑茶、2つの顔を持つべにふうき。それぞれの魅力をぜひ味わってみてくださいね。