紅茶の製造工程

 

にのらく茶園では愛媛県内子町の山あいにある茶畑で収穫(摘採)した生葉すぐに近くの工房に運び、自分たちで製茶しています。ここでは紅茶がどのようにして出来上がるのかをご紹介します。にのらく茶園では毎年春・夏・秋の3回、オーソドックス製法といわれる昔ながらの製法で昔ながらの機械を使って紅茶を作っています。


紅茶の製造工程

1.摘採(てきさい)

茶摘みのことを摘採と呼び、茶摘み機という機械を茶面に沿わせるようにして刈り取っていきます。バリカンのような刃と大きな袋がセットになっていて、刈り取った生葉を風で袋に送っていきます。最初軽かった袋も段々と重くなり、袋いっぱいになると20kg近くにもなるのでなかなか重労働です。


機械摘み

春は手摘みも行います。近くの有機農家さんたちとわいわい楽しみながら、ひとつひとつ摘み取っていきます。


手摘み

茶摘みのタイミングは天候や有効積算温度、実際の葉の様子やなどを基に決めていきます。(有効積算温度とは、毎日の平均気温から一定の数を差し引き、積み重ねた数値で、農作物の収穫時期を決める時等に使われます。)

2.萎凋(いちょう)

摘み取った生葉はすぐに工房に運び、萎凋棚という棚に敷き詰めていきます。棚の底は網状になっていて、下から数時間風を当てることによって生葉を萎(しお)れさせていきます。この時点で水分をしっかり除くことが美味しい紅茶につながります。葉や茎の固さ、香りなどを見ながら終えるタイミングを決めます。ちなみに生葉はこの時点で少しずつ発酵が始まっています。


萎凋(いちょう)

3.揉捻(じゅうねん)

萎凋棚で十分に萎れさせたら、生葉を回転式の揉捻機でしっかりと揉みこんでいきます。重い蓋で上から押さえながら回転させることにより生葉がだんだんと撚(よ)れていき、細胞組織が破壊されます。それによって発酵がさらに進み、香りも変わってきます。季節や葉の様子によって時間を調整します。


揉捻(じゅうねん)

4.醗酵(はっこう)

揉捻が終わったら発酵室の中に入れ、一定の温度・湿度で葉を寝かせます。室内はぬるいサウナ室のような感じで、高い湿度の中に置くことによりさらに発酵を促します。特有の香りを生じ、色も赤みを帯びてきて紅茶らしくなってきます。発酵しすぎると香りや水色が悪くなるので、注意が必要です。


醗酵(はっこう)

5.乾燥(かんそう)

発酵室から出た葉はまだ60%くらいの水分を含んでいます。このままだと発酵がどんどん進んでしまうので、すぐに高温の回転式ドラムの中に投入し、一気に葉を乾燥させていきます。水分が減っていくにつれて、葉同士のぶつかる音が変化していくのが分かります。


乾燥(かんそう)

6.仕上(しあげ)

乾燥が終わったら、最後に茎などを取り除いて出来上がり!できたての茶葉のかぐわしい香りを楽しめるのが紅茶づくりの醍醐味です。


仕上(しあげ)

ちなみに乾燥を終えた茶葉は荒茶と呼ばれ、有機JAS上はここまでが「有機農産物」という扱いになります。その後仕上で茎などを取り除かれた茶葉は仕上茶と呼ばれ、「有機加工食品」という扱いになります。

 

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